・名前 山崎 信也(やまさき しんや)
・生年月日 平成5年7月16日生まれ
・現在勤めている企業名と肩書
アルドールテニスステージ株式会社 おゆみ野校
チーフコーチ (2017年9月現在)
・出身高校名 鹿児島県立鹿屋工業高校
・福岡リゾート&スポーツ専門学校卒業生
インタビューに答えていただいた山崎信也さん(写真左)。福岡リゾート&スポーツ専門学校(以下 福岡リゾスポ)の第一期生です。中本さんと初めて会った時、「これこそプロのコーチだ!」と感じたのを今でも覚えているそうです
大学進学を決めたけれど
中本コーチに出会ってリゾスポ入学を即断!
高校は地元の工業高校に進学。迷うことなくテニス部に入ったそうです。山崎さんが中学生の頃に県大会に準優勝した高校で、その成績に惹かれたとか。
そんな山崎さんと福岡リゾスポとの接点はなんだったのでしょうか?
ー高校3年生になると、いろんな選択肢が出てきますよね。大学、就職、専門学校など。山崎さんはどうだったんですか?
山崎 高校テニス部のOBの方が群馬の大学に行っていて、初夏の頃に地元に戻ってきたんです。その方は大学の体育会に所属されていて、地元に戻ってきたら、よく高校の部活に顔を出して練習をつけてくださっていました。高校3年だった私は引退したものの、自分の中にテニスをやりきった感覚がなくて、『もっとテニスがしたい!』という強い思いがありました。そこで、その方が通っている大学のセレクションを受けさせていただきたいとお願いしました。
ー結果はどうだったんですか?
山崎 先方の感触から、来年は大学に行けそうだなということがわかりました。
ー大学進学が決まったのに、どうして福岡リゾスポに行くことになったのですか?
山崎 実は、高校の先生には前々から「大学や専門学校のオープンキャンパスに5〜6校は行きなさい」と指導を受けていたんですね。それと、就職指導で福岡リゾスポの先生に説明会に来ていただいたりしていて、その存在は知っていました。
ーそこで、福岡リゾスポに行ってみようと?
山﨑 はい。群馬から鹿児島に帰った時、福岡リゾスポのオープンキャンパスがちょうど開催されるのを思い出しました。その当時、自分は大学進学がほぼ決まったのに仲間は就職活動に忙しく、遊び相手がいなかったんです(笑)。『そういえば、福岡に姉がいるから遊びがてらオープンキャンパスも覗いてみようか』と。しかも、鹿児島から福岡まで無料バスが出ているので、「こりゃいいや!」と飛び乗った次第です。今から思うと、いい加減なヤツですよね(苦笑)。
―オープンキャンパスではどんなことを体験されたのですか?
山﨑 学校を見学して、レッスンも受けました。でも、レッスン以上によく覚えているのが、中本さんです。全身、上から下までヨネックスのウェアで、持っているラケットもヨネックスなら履いているシューズもヨネックス! 『プロのコーチってこんな感じなんだ!』と感動しました。自分にとって生まれて初めてテニスコーチを職業にしている方に会ったわけです。『この人に、もっとテニスを教わりたい!』という気持ちが強くなって、「(福岡リゾスポ)に行きます!」と言って握手しました。中本さんも「2年間、一緒にがんばろう!」と力強い言葉をかけてくださいました。
―ご両親にはなんと報告されたのですか?
山﨑 福岡リゾスポのオープンキャンパスに行くと決めた日に親に電話しました。親は私にやりたいことがあるなら応援すると言ってくれました。そもそも親は私が1人だけで群馬で生活するのを少し心配していました。それに、姉が福岡にいるので安心したと思います。
福岡リゾスポのオープンキャンパスに行って中本コーチに初めて出会った山﨑さん。その日のうちに入学を即決したという
どんどん新しいことを教わって楽しかった毎日。
アルバイトでレッスンをしてコーチになろうと決心する
―山﨑さんは福岡リゾスポに入学した時に『卒業したらコーチになろう』と決めていたのですか?
山﨑 いえ。最初は『新しいテニスを教わりたい!』という気持ちでいっぱいでしたね。だから、毎日が楽しかったです。新しいことをどんどん教わるからです。それに伴い、自分のテニスが上手くなっているのを実感しました。
ただ、コーチという仕事について、頭には入っていました。パンフレットに書いてあったので。
―具体的にはいつごろコーチになろうと決心したのですか?
山﨑 1年生からテニススクールでアルバイトしていたのですが、まだ当時はコートに立っていませんでした。でも、2年生になって初めてレッスンを受け持ちました。すごく緊張した中、お客様が私のレッスンで喜んでくれる姿を見て、とてもうれしかったのを覚えています。それから、徐々にコーチになる気持ちがかたまったのです。
―現在、就職されているスクールは中本さんの紹介ですね?
山﨑 はい。そうです。2年の6月に先方の里村専務に福岡に来ていただきました。そこでお会いしました。
里村専務とお会いした山﨑さん。テニスを見てもらう予定でしたが、あいにく雨のため中止。それでも話し合った結果、山﨑さんは採用されました。事前に中本氏から里村氏に情報は提供されていたそうですが、山﨑さんの人柄に里村氏は魅力を感じたのでしょうね。
―今のお勤め先は千葉ですね。実家の鹿児島からどんどん離れていっていますが・・?
山﨑 むしろ遠くへ行きたかったんです(笑)。私は高校卒業まで鹿児島を出たことがなく、外に出ることに憧れがあったのかもしれません。福岡に行った時も『こんな世界があるんだ!』と驚きました。ならば、東京はどうなんだと。『もっと違う景色が見たい!』という気持ちが強かったですね。親も就職できたことを喜んでくれました。これからはお前の人生だからと。
リゾスポが全面的にサポートして取れた
「テニス教師」の資格
―ところで、リゾスポでは一般のコーチだと時間のかかる「テニス教師」の資格を在籍中に取得できると聞きました。山﨑さんも取得したのですか?
山﨑 はい。取得しました。福岡リゾスポにはコーチはテニスがうまいだけではなく、テニスの知識もしっかり持っていなければならないという方針があります。そのため、在籍している間にテニス教師の資格を取るわけです。
実際、お客様は様々なレベルの方がいらっしゃいます。そんな方とコミュニケーションをとる時、色々な角度からアドバイスする必要があります。その際、テニスの知識を持っていれば、それがベースになって的確なアドバイスができますよね。
―資格を取る試験はいつ行われるのですか?
山﨑 2年生を卒業する前の1月です。1年生の時から学校で勉強するのですが、試験が近づくとさらに勉強量が増えます。
―具体的にどんなことが行われるか教えてください。
山﨑 場所は東京のナショナルトレーニングセンターです。そこで、2日間にわたって、筆記試験と実技テストが行われます。特にきついのが模擬レッスンでした。1グループ5人に分かれ、コート上で1人がコーチ役、残り4人が生徒役でレッスンを行います。時間は8分と決められていて、8分以上かかってしまうと、即終わりです。
―体験されていかがでしたか?
山崎 8分という限られた時間の中で、自分が考えた内容を進めないといけません。コートの周りにはテニス雑誌でしか見たことのないテニス界の著名な方々が試験官となって、厳しい目で自分のレッスンの様子をチェックしています。さらに、その周りには受講する人がたくさん見ているので、とても緊張しました!
―そんな緊張した中で無事に試験に通ったわけですね?
山﨑 はい! 本当にうれしかったです。ただ、一方で『やるだけのことはやった』という気持ちはありました。というのも、学校で受験対策を徹底して行っていたからです。例えば、筆記試験は中本さんに想定問題集を作成していただき、試験を受ける私達は直前までその問題集に何度も取り組みました。この想定問題集は、本当に役立ちました。なぜなら、実際の筆記試験の内容とほとんど同じだったからです。
また、8分間の模擬レッスンの対策として、実際にオンコート授業で同じことを行いました。まず、メニューを書く作業は学校の座学で指導を受けます。そして、学校のコートで模擬レッスンを行う日、自分1人で目的や手順を書いたメニュー表を中本さんに渡します。次に、そのメニューをコートで行うのです。その時は中本さんが試験官役となって、作成した原稿を見ながらレッスンをチェックします。
こういったことを繰り返し行うので、本番当日、頭が真っ白になるほどのプレッシャーを感じつつもなんとかクリアできたのだと思います。
―資格を取ることはコーチにとってそれほど重要なことなのですね?
山﨑 はい。コーチとしての技術が向上しますし、自信にもつながります。また、お客様に自分のことを聞かれた時に資格の話をすると、安心していただけます。キャリアを積んだベテランのコーチではないので、資格は信頼関係を築く第一歩となるのではないでしょうか。
そして、何よりも学校で受験対策ができる点が大きいでしょう。実際、山﨑さんは中本さんの指導のおかげでクリアできたと語っています。この点こそ、リゾスポに行く大きな意味があると言えるのではないでしょうか。
2017年1月に東宝調布テニスクラブで行われた模擬レッスンの練習風景。東京校の2年生で受験する学生を対象に実施した時のもの
リゾスポに入れば社会人としてやっていけるスキルを
教わることができる!
―最後にリゾスポOBとして、高校生にアドバイスあるいはメッセージをお願いします。
山﨑 今勤めている会社は「人間力」を重視していますが、社会に出て年が経つほど、中本さんがおっしゃっていた言葉の意味が「こういうことだったんだ!」とわかってハッとします。
今、私は3歳から78歳までのお客様を相手にレッスンしていますが、現場では様々なイレギュラーなことが起こります。その時、その場を解決するためにはテニスの技術・知識はもちろんですが、人を思いやる気持ちが大切です。イレギュラーなことを解決して周りの人に喜んでいただいた時、リゾスポで教わったことが実践的で役に立つものばかりだったとわかります。
私はリゾスポに入って人生の大きなターニングポイントを迎えました。皆さんもリゾスポに入って、中本さんをはじめ、色々な人と出会って欲しいと思います。
ここに入学すれば、社会人としてやっていけるスキルを教わることができます。リゾスポはただボールを打つ場所ではなく、自分のテニスで誰かの役に立てることを実感できる場、テニスを仕事にすることができるという手応えをつかめる場なのです。卒業して数年経ちますが、今でもリゾスポに入って良かったと実感しています。